私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)

 和室には、お父さんだけではなく、ミートさん、うおさん、とーさん、チョコばあちゃんの姿まである。

 チョコばあちゃんは店を閉めて、他は奥さんに店番を頼んでいるらしい。

 電話で呼び出されたでんじぃとチャリじいちゃんもやって来た。

 駅裏商店街の代表格が揃って、みんなで円になる。

「瞬桜、わりぃな。部活中だったんだろ?」

「いえ、秋1人で帰らすわけにもいかないですし」

「1人で帰れるよ!」

「このぐらいの時間車通り多いだろ。事故ったらどうすんだ」

「瞬の過保護!」

 高校生なんだからそれくらい注意できるのに!

 怒っていると、わざとらしい咳払い。

 いけない。話逸れた…。

「で、窃盗って本当なの?」

「あぁ、売上金が合わねぇ」

「客の万引きじゃないんすか?」

「俺らも最初、そう思ってよ。志季に見回り強化させたんだわ。…でも、万引きじゃなかった」

「どうして、窃盗だって」

「ミートんところとよ、たーのとこが被害出たんだ」
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