私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)
志季のはじまり
「結局6時!」
「飛ばせば間に合うだろ」
「秋奈ちゃんバイバ~イ」
「うん、バイバ~イ!」
バレー部の子たちに手を振り返して、校門を出たところで自転車にまたがる。
「六花、ごめんね。また明日」
「うん」
「おっしゃ!秋奈、競争しようぜ」
「負けるに決まってんでしょ?」
「無駄口叩いてていいのか」
瞬の言う通り、早く帰らなきゃ!
自転車をこいで歩く生徒たちを追い抜かしていく。
瞬と夏も一緒に自転車通学なんだ。
片道20分。正確には30分。毎日だからもう慣れた。