私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)

志季のはじまり


「結局6時!」

「飛ばせば間に合うだろ」

「秋奈ちゃんバイバ~イ」

「うん、バイバ~イ!」

 バレー部の子たちに手を振り返して、校門を出たところで自転車にまたがる。

「六花、ごめんね。また明日」

「うん」

「おっしゃ!秋奈、競争しようぜ」

「負けるに決まってんでしょ?」

「無駄口叩いてていいのか」

 瞬の言う通り、早く帰らなきゃ!

 自転車をこいで歩く生徒たちを追い抜かしていく。

 瞬と夏も一緒に自転車通学なんだ。

 片道20分。正確には30分。毎日だからもう慣れた。
< 19 / 369 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop