私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)
「…ねぇ、ちょっと尾木くんと話してきていい?」
「…秋」
「分かってる。いけないことだし、なかったことになんかできない。…でも、もし自白してくれたら、そうしてほしいの」
「…あきなっちがそう言うなら、いいんじゃない?」
背を押してくれたのはひまっちだった。
ひまっちが了解してくれたことで、みんなも分かったと言ってくれる。
瞬と夏はちょっと不満げだったけど…。
とりあえずO.K.をもらって1階に降りる。
みんな学校帰りでおそろいのジャージを羽織ってるところだった。
尾木くんは、隅っこで1人でいる。
他の子に気づかれないようにさりげなく通り過ぎて、尾木くんの前までくる。
「尾木くん、ちょっといい?」
「ッ…宮田さん」
「秋奈でいいよ。隣、いい?」
床を指せば、尾木くんは少し迷いながらも頷く。
拳1個分くらい距離を開けて、隣にしゃがんだ。