私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)
「姉ちゃん?と瞬桜さんこんちわ!」
「え?…は、春ちゃん!…と亮祐くんと、その子はどちら様?」
「なんだ春馬か」
「秋奈さんひっでぇ…」
後ろを振り返れば、学校帰りらしい春ちゃんと亮祐くん、あともう1人知らない子がいた。
亮祐くんにごめんってして、春馬に顔を向ける。
「どうしたの?珍しいね。商店街来るなんて…」
「あ~うん。姉ちゃん、志季に尾木さんっている?いくつだっけ」
「18っす!」
「だって」
知らない男の子に視線を向ける。尾木さんって、志季の中に尾木くんなんて1人しかいない…。
瞬と顔を見合わせて、視線を春馬たちに戻す。
「いるけど、どうかしたの?」
「あの!兄ちゃんがいつも世話になってます!」
「へ?」
「尾木さんの弟。今1年なんだけど、なんか今日家の鍵忘れたらしくて入れないだってさ」
尾木くんに弟?というより、春馬と同じ中学ってことは、尾木くんなんで電車でここまで…。
嫌な予感がして、瞬に視線を向けると、瞬も同じことを考えてたのか、表情は険しい。