私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)
「ごめんなさい!兄ちゃんが、お店のお金取って、ごめんなさい!!全部返すから、だから、ごめんなさい…」
「坊主、わりぃな。お前の兄ちゃんから謝ってもらってねぇ。だから、許せねぇよ」
「ッ…ごめんなさい…。兄ちゃん!!謝れよ!なんで謝ってねぇんだよ!!」
弟くんの言葉に尾木くんはやっと反省した顔になって、うなだれたまま弟くんの隣に並ぶ。そして、ぎこちなく頭を下げた。
「ごめん、なさい…。すみませんでした!!」
「もう二度と、こんなことすんじゃねぇよ」
「はい、ほんとに、すみませんでした…」
今度こそ、交番に尾木くんを連れて行く。
志季が終わった後、駅の反対側ですりをしていたらしい。
その被害届も山のようにあった。
商店街全体として、30万の被害を報告し、尾木くんは自主という形で逮捕されることになった。
弟くんが必死に謝るのを、尾木くんは何とも言えない顔で、反省の色を見せながら謝罪した。