私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)
「…はぁ、やっと終わった」
「でもまぁ、今回のことで志季も誰彼かまわずって言うのは、もうやめにしなきゃなんねぇな」
「今いるメンバーもだ。秋奈、態度が悪い奴らはもう、追い出すしかねぇ」
「…そうだね」
大人たちの警戒はもっともだ。
信じたいけど、そんな甘いこと言ってられない。切る子は切らなきゃいけない。
40人近くいるけど、多分残るのはきっとすごく少ない…。
「秋奈、わりぃけどしばらくはバイト代は出せねぇ。それを含めて、残る奴らを選別してくれ」
「うん。ごめんね。みんなのことよく見てなかった私のせいで、こんなことになって」
「気にすんな。…って言いてぇけど、悪いな」
「うん」
仕事に戻っていく大人たちを見送る。
今日はもう帰らせた志季のメンバー。
今週いっぱい休みで、次の週末集まることになってる。
そこで、切る子は切る。残るのは、何人になるんだろう…。
ダメだな。覚悟してたのに、いざとなると辛いや…。