私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)

「だっさん、ありがとね」

「秋奈ぁ、その視線が痛い」

「ごめん…」

「まぁ、これで公表なんだし、ノンタン、トーマス、諦めなよ」

「はぁ、秋奈、なんでノンタンなんだ?」

「…ノンタンだから」

「トーマスは?」

「暴走列車みたいだから!」

「おい!」

 あはは、ノンタンはなぜかノンタンだけど、トーマスはほんとに暴走列車みたいだったんだもん…。

 初めて暴走やり始めた時とか…。

 2人は諦めてため息ついてた。

「まぁ、これから改めてスタートってことで」

「じゃあ、新生志季、初暴走、行きますか!」

「うん!みんな、やるよ!」

 名札を首から下げて、外に飛び出していく。

 人数が少なくなって大変だけど、少ない分、それぞれの距離が近くなっていくように感じた。
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