私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)
「秋奈って剣道出来たんだな」
「う~ん、剣道というか剣術だけどね」
「でもすっげぇよ。俺ケンカしか能ないからうらやましい」
「…夏」
「どわ!?…何すんだよネットオタク!」
「…」
「無視か!」
夏を突き飛ばして私にぴったりくっつく六花。
そんな六花を怒る夏だけど、六花はそっぽ向いてる。あらら。
「そういえば、六花と一緒にいるようになったのってこのくらいだったっけ?」
「6月」
「あれ」
「秋奈が声かけたんだろ?」
「教室だったっけ?」
「ちゃんと覚えてないのかよ」
「どっかの誰かさんと違って、六花は大人しくていい子だったもので」
「それ、俺のことか…」
「よく分かってるじゃん♪」
「がくっ」
うなだれた夏に六花と笑う。
でも、ちゃんと覚えてる。
六花と話したきっかけ。ほんとの初めては入学式だったよね。