私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)
気になる女の子
「うわぁ、人いっぱいだな…」
「そうだねぇ」
「当たり前だろ。入学式なんだから。…で、お前はなんでそんな金金頭になってんだ」
「え?高校ってこういうもんだろ?」
「漫画の世界だ…」
思いっきりため息をついた瞬に、夏は染めたらしい金髪を触って、首をかしげてる。
不良校じゃあるまいし、ありえないよ、夏…。
当たり前だけど、みんなの髪色は黒。
よって、金色の夏はすごく目立つ…。
おかげさまで早くも引いた視線が突き刺さる。
「はぁ、こいつといるとバカだと思われる」
「大丈夫だよ。テストの結果で見直されると思うし」
「第一印象重要だぞ」
「挽回する!クラス見に行こう?」
瞬の袖に掴まって歩き出す。
まだ、人の視線に慣れなかったからちょっと怖かったんだよね。
何枚か貼られてるクラス表の前に行く。
でも名前を見つけるのがまたひと苦労だった。