私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)

 夏と別れて、瞬と7組の教室に向かう。

 教室の中にはもう人がいて、私たちが入るとすごく見られた。

「秋、席」

「あ、うん…」

 慣れるの、時間かかりそう…。

 瞬に引きずられるままに座席表を確認して、自分の席に向かう。

 うぅ、瞬と離れちゃったよ…。

 びくびくしながら席に座る。

「ねぇ」

「ひゃい!?」

「え、どうしたの?顔色悪いよ」

「な、ナンデモアリマセン…」

 久しぶりに知らない人と話すから緊張する…!

 女の子は吹き出して、声を上げて笑う。

「私理紗。よろしくね」

「あ、…秋奈です」

「秋奈?私のことも理紗って呼んでね」

「う、うん!」

 こ、これは友達ってやつ!?

 よかった、瞬にくっつかなくても大丈夫かもしれない…!

 理紗はお姉ちゃんみたいで、少し話しただけでほっとできるようになった。

 少し余裕が出てきてクラスを見ると、さっきのきれいな子がいた。

 同じクラスなんだ!

 そう思って少しうれしい。話せるようになるかな…。

 ずっと携帯見てるけど、いつか話せるよね!
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