私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)
イライラの原因 瞬桜side
ぼんやりしていた秋が徐々にニコニコし始める。
あいつまた思い出し笑いしてんな。
六花が首をかしげて秋の顔を覗き込むと、秋は六花に抱き着いてやがる。
「秋奈、痛い」
秋に抱き着かれて六花は嬉しそうな顔をしてるくせに、嫌がってるような言葉を吐く。
秋はお構いなしだけどな。
「秋奈、どうした?」
「六花と会った時のこと思い出した」
「俺のことじゃなくて?」
「夏は不良くんだもんね」
「ひっでぇ」
顔を歪める夏樹にケラケラ笑ってる秋。
そのままごめんと言いながら夏樹の頭を撫でてやがる。…ッチ。
あいつはまた夏樹にべたべたしやがって。
男にあんな触ってるなよ、くそ。