私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)
「秋!甘やかすなって言ってんだろ!!」
「っ…はぁい」
俺が怒鳴ってやっと夏樹から離れる秋。
くっそ、マジでムカつく…。
確かにいい方向にはいってる。
でも、夏樹に甘えるなよ。俺がいんのに…。
「瞬桜、相手しろ」
「…はい」
部長がドシドシやって来て、問答無用で試合することになる。
外したばかりのタオルをまた頭に巻いて、面を付ける。
部長と竹刀を向け合い、試合が始まる。
部長によそ見してる暇はない。でも、自然と視線が秋に向く。
また六花と何か話してケラケラ笑ってた。
「瞬桜!」
「ッ…胴!!」
部長の声に引き戻されて、反射で腕を動かす。
間一髪俺の方が早くて軍配は俺に上がる。
よそ見しすぎた…。