私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)

「瞬桜」

「すみません…」

 あぁ、夏樹がいなけりゃこんな気にしないっての。

 部長の言わんとすることはよく分かってるから素直に謝って試合場の外に出て面を外した。

「夏、ちょっと肩貸して?」

「どした?」

「ちょっと昼寝する…」

 って、あいつはまた!!

 ドスドス床を踏みしめて夏樹にもたれようとする秋を強引に離れさせる。

「瞬、痛い!!」

「うるさい。むやみやたら男に触んな」

「夏だからいいじゃん!」

「え、俺女扱いなの?」

 夏樹がなんかショック受けてるけど、勝手に落ち込んでろ。

 それより、この無防備娘が…。

 この前も寝てていいとは言ったけど、こんな男だらけのとこでマジで寝るなよ。

 こいつの寝顔見てニヤニヤしてた奴全員ぶちのめしたけど…。

 あぁ!イライラする…。
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