私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)

 12月。

 顧問は何も気づかない。

 宮田がボロボロになってるのに、顧問は何も言わない。

 むしろ、厳しく当たっていたと思う。

 と言うのも、宮田が学校を休みがちになったり、練習中突然吐くようになったから。

 体罰はないけど、叱り飛ばしていた。

「やっほ~久しぶり~」

「先輩!」

「「「お疲れ様です!!」」」

 3年の先輩が来たのは、冬休みの直前だった。

 女子の部員が声を張り上げてあいさつする。

 宮田は道場の隅でうずくまって頭を抱えていた。

 あんな光景が増えてきたと思う。

 時々独り言のように何かを呟くようにもなっていた。

 先輩たちははじめ2年と話していたけど、不意にうずくまってる宮田に気づいて駆け寄っていく。

 エースで、宮田を1番かわいがってた先輩だ。
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