私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)
「なんだ?ついに宮田爆発したか」
「…違う」
「は?」
「止めるぞ!!」
「え?」
事態が呑み込めない同級の奴を置いて宮田に駆け寄る。
丁度面を取った宮田はそれを軽く放るように手放して、2年の先輩を睨む。
あの目だ。
面の奥で俺を見据えていた。
百戦錬磨の将校のような、戦場を駆け巡る人切りのような、人を切ったことがあるかのような目。
あれは、宮田だったのかよ。
宮田に睨まれた先輩は殺気に気づいたのか動けなくなってる。
「…宮田?」
「っは、死ねよ」
何のためらいもなく竹刀を振り落とす。
肩に当たった竹刀。
2年の先輩は急に打たれた肩を掴むと、悲鳴を上げて床に倒れ込む。