私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)

 まるで刀を扱っているかのように、宮田の持っているものが竹刀じゃなくて、真剣であるかのように。

 緊張感が体を包んで思うように動けない。

 いや、実際足が動かなくなってる。

 なんだよ、これ…。

 宮田が視線を移したのは2年の他の先輩たち。

 3年の先輩にはもう見向きもしてなかった。

「…宮田」

「…」

 何も言わず宮田は2年の先輩に襲い掛かる。

 宮田に“切られた”先輩は切られた個所を抑えて床に倒れていく。

「おい、お前らどうしたんだよ!?」

「切られたっ血が…」

「血なんか出てないって!!」

「うわぁぁああああ!!」

 やっと状況がおかしいことに気づいた男子たちが動き出す。
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