私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)

 宮田を止めないとまずい。

 動かなかった足を無理矢理進めて宮田に駆け寄っていく。

 2年の最後の先輩を切った宮田が振り返って微笑む。

 竹刀を打ち込むと当然のように受け止められる。

「宮田!目覚ませ!!」

「…邪魔するな!!」

 女とは思えない力で弾かれる。

 それでも向かっていくと、簡単にいなされてしまう。

 くっそ、でもこいつがやってるのは剣道じゃない。

 …殺し合いだ。

「宮田!!」

「うるせぇな…。やっと暴れられるんだ。てめぇが相手してくれんのか?あぁ!?」

 足が出てきて咄嗟に下がる。

 もうルールとか気にしてる場合じゃない。

 ただの暴力を繰り出してくる宮田の攻撃をかわして、無理矢理後ろを取る。

 宮田が振り向かないうちに首に後ろに竹刀を叩き込んだ。
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