私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)
倒れていく宮田の体を片手で止めて引き寄せる。
抱きしめると驚くほど細くてどこからあんな力が出ていたのか想像もつかない。
袴をまくると、痣があちこちにあって、すぐに袖を直した。
宮田が気絶したせいか、それまで痛いと叫んでいた先輩たちが急にその痛みを訴えなくなる。
何事もなかったように身を起こす先輩たち。
だけど、3年の先輩だけは宮田に打たれた腕を抑えて顔を歪めてる。
「なんだったんだよ…」
「…こいつ!!」
「やめろ!!!」
宮田をいじめてた主犯の先輩が宮田を睨みつけ、近くにあった竹刀を手に取ろうとした時、怒鳴り声が響いて動きを止めた。
入り口には顧問がいて、先輩を睨みつけている。