私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)
「ねぇ、永井くんってさぁ、宮田と仲良かったよね?」
「は?」
「これ、お願いね?」
そんなことを言われたのは、2年になって初めての中間テストの最終日だった。
部活が終わって、帰りの支度をしているところへやって来た女が突き出された茶封筒には確かに宮田さんへと書かれていて、あいつらが届けているはずのプリントだった。
受け取らずにいると、強引にそれを押し付けて女たちは騒ぎながら帰っていく。
受け取ってしまった茶封筒を見つめて、思わずため息を吐いた。
「行くしかないか…」
自分のカバンに茶封筒を入れて、立ち上がる。
ニヤニヤする他の男子を無視して歩き出す。
男子の中では俺自身も浮いていたから、宮田がいなくなったことで部活での孤立は激しくなっていくばかりだ。
ただ、後輩には1番好かれて、それにやっかみを付けられるのも多かった。