私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)
「剣道を部活に選んだのは、春ちゃんを見てて、楽しそうだったから。
いつもそばで見てたからできるんじゃないかって思ってた。だけど、ダメだった。
相手が強くなるほど、あれは出てこようとして、それを抑えるために必死だった。でも、楽しかったから、やめられなかった。
あんなことになるなら、早く辞めるべきだった…」
少し早口に思いを吐き出した宮田はうつむいて肩を揺らす。
何を行っていいのか分からないのに、頭は真っ白なのになぜか口が勝手に動く。
「剣道、嫌いか?」
首を横に振る。
「見てるのはいいのか?」
首を縦に振る。
「なら、見に来いよ」
首を縦にも横にもふらず、宮田は驚いて顔を上げる。