私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)

「…どこに?」

「俺の試合、見に来い」

「…やだ」

「なんで?」

「だって、他の部員もいる」

「なら、個人戦で来いよ。そしたら、他の奴ら関係ないだろ?」

「でも…」

「…なら、地区大会とかはやめて、県とかで」

「…行かない」

「…なら、全国は?」

 半分やけ。

 だけど、半分本気。

 戸惑うような宮田。だけど、嫌と言わない。

「はい、約束。俺が全国行ったら、絶対に来い。リード付けてでも連れてってやる」

「え、あ…」

「宮田、約束。な?」

 結構強引に小指を絡めると、宮田はだいぶ悩んで、やっと頷いた。

 勝手に笑みが浮かぶ。

 宮田もぎこちなく笑顔を浮かべた。
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