私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)

「瞬、寄ってく?」

「今日は帰る。またな」

「またね」

 手を振って見送る秋を背に、自転車のペダルを漕ぐ。

 1つだけ不満があるとすれば、秋が明らかに俺を男として見てないこと。

 しかも、ムカつくことに秋が見てるのは…。

 あぁ!やめだやめ。

 まだ確定したわけじゃないけど、ムカつく。

 だけど、秋があいつを選んだとして、俺はそれを認められるのか。

 あいつも秋の隣に立つのか…。

 頭を振って考えを追い出す。

 振り向かせればいい話だろ。

 ちょっとくらい意識しろってんだ。

 暑苦しい中、自転車をこぐことだけを考えて進んだ。

瞬桜side END
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