私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)

「親父さん、秋奈くださいよ~」

「ダメだ!お前にはやらん!!」

「ケチだなぁ。なぁ、秋奈。嫁来るか?」

「きよにぃがいいなら行く~」

 きよにぃの冗談にお父さんは本気。

 冗談で返したらお父さんが青くなっちゃった。なんで?

「何言ってんすか。秋もきよさんも!」

 急に割り込んできた声に腕を掴まれて、思いっきり引っ張られてきよにぃの腕から離れる。

 引っ張られた勢いで飛び込んだ腕の中は、少し慌てていたようで、心臓の音が少し速い。

 顔を上げると、不機嫌そうな顔がきよにぃを睨んでた。

「おいおい、俺の嫁奪うなよ瞬」

「きよさんに瞬って呼んでほしくないんですけど」

 不機嫌丸出しの瞬に対して余裕なきよにぃ。

 この2人、出会ったころからなぜか犬猿の仲なのです。(瞬の一方的な敵対心だけど)

 今も睨み合って…瞬が一方的に睨みつけてた。
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