私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)

 いずれはミートさんの店を継ぐってもうずっと前に決めてるのにそれは内緒なって約束してる。

 だからミートさんはきよにぃが継ぐつもりがないって思ってて、大学進学もなかなか頷いてくれなかったらしい。

 きよにぃはここをよくするために大学に行った。

 ミートさんは、他の大人もそのことを知らない。

 知ってるのは私だけだ。

「ってことで、親父、街頭アンケートやっていいか?」

「あ?お前本気か」

「当たり前。学生が関ってるケースと、関わってないケースの商店街に来るお客さんの意識の違いとか、メリット、デメリットを上げて書かないとな」

 きよにぃの真剣な顔に、ミートさんは罰が悪そうにため息をついて勝手にしろとお店に引き上げて行ってしまう。

 ミートさんはいつもそう。

 本当は帰って来てうれしいくせにああやって拗ねてるんだよね。

 きよにぃと視線を合わせて、こっそり笑った。
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