私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)

 ちょっと休んでからお店の裏方に回ってみる。

 裏方って結構重い物とか運ぶから意外にハード。

 何気に1番疲れるところだったりする。

「なにしてんすか。こんな裏方で」

「あれ、直斗さんこそ…」

 いきなり声かけられてびっくりした…。

 とりあえず段ボール運ぶのはやめにして直斗さんに向き直る。

 そう言えば、匠くんとは話すけど、直斗さんとはあんまり話さないんだよね…。

 じっと見つめていると、視線を外されて直斗さんは段ボールに視線を向ける。

「俺は、表に立つよりこっちの方が性に合うから」

「え、でもシフト私出してるよね?」

「…代わってもらってるんすよ。接客は苦手なんで」

「そんな…」

 段ボールを運ぼうと身をかがめた時、持とうとした段ボールに別の段ボールが乗せられてしまう。

 驚いて顔を上げると、直斗さんが真剣な顔で私を見下ろしていた。
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