私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)

「本気にしてもいいんだぞ?」

「え?」

「…なんてな。で、秋奈。あそこで子ども泣かせてるぞ」

「はい?」

 きよにぃが指した先。

 直斗さんが小さい子ども相手におたおたしてた。

 大貴はその隣で大笑いしてるし…。

 もう、何してんだか。

「大貴!直斗さん!なに泣かせてるの~!!」

「あっはは!秋奈、だってこいつよぉ」

「言い訳無用!ぼく、大丈夫?」

 泣いてる子どもの視線に合わせて頭を撫でてあげる。

 直斗さんは子どもより大人相手の方がいいかもしれない。

 そんなことを思いながら、早速迷子のお母さん探しを始めた。
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