私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)

 と思った時にはもう遅くて、けってーいとか言って、みんな騒いでた。

 …やられた!!

『なんで私が暴走族の総長なんかしないといけないの!!』

『まぁまぁ、あきなっち。要はあたしらのリーダーよ。リーダー』

『秋奈さんは俺らに手を差し伸べてくれた天使、いや女神様にも等しいんだからよ』

 肩を持たれて、すでに反論など許さんという空気に満ち溢れてた。

 もう、どうしようもなかったよね。

『で、後はチーム名か…』

 その言葉に、それまで大騒ぎだったみんなが黙り込んだ。そうだよ。

 それを決めるところから始まったのに、なんでこんなに脱線してたんだろう。

 みんながう~んと悩む。不意に顔を上げたたーちゃんが私たちを見て、あれ?と首を傾げる。

 そしてしばらく考えたままじーっと見てきたの。
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