私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)

 きよさんは夏樹のことよく知らないから焦るんだろうけど…。

 ただの杞憂で終わる。

 というか、杞憂で終わってくれないと困る。

「夏休みの最後、どっか旅行でも連れだすかなぁ」

「ッきよさん!!」

「おぉ、怖い怖い。いらっしゃいませ~」

 おどけながら接客に戻るきよさん。

 …絶対、きよさんにだけは負けない。

 というか、誰にも負けないし…。

 だけど、あいつ振り向かせるのどんだけ時間かかるんだか…。

「瞬坊、接客してくれって」

「だから、それやめてくださいって言ってるじゃないっすか!!」

 なんで坊とかつけられなきゃいけないんだよ!!

 ケラケラ笑うとーさんにムカつきながら俺も接客に戻った。

瞬桜side END
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