私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)
「お母さん!落ち着いてください!」
「彼はお子さんが1人でいたから、心配で声をかけたんです!」
日真里と沙緒が慌てて間に入る。
って、なんでまたキレやすいのか間に入るんだよ!!
「何よあんたたち!誘拐犯の仲間ってわけ!?」
「だから、誘拐じゃありませんって!!」
「はぁ?ならなんだっていうのよ!」
大声で言うから相手の熱もさらにヒートアップしてく。
紀仁と大貴は完全に黙ってそこにいるだけだ。
「大体!あんたが子ども置いて買い物行くのが悪いんでしょう!?」
「はぁ?誘拐犯が何言ってるのよ!!」
売り言葉に買い言葉になって来たし…。
とりあえず4人離れさせて、志季のこと説明してお詫びに割引券渡せば何とかなるか?
あれ、でも待てよ。
たしかあの客に前それやってそっから毎回ぶんどられてたような…。
そうだ、そもそもあの人の子どもが泣いてようがなんだろうが声かけるなって話だったんだ…。
マジでどうしよう…。