私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)

 勝手に顔が熱くなりそうになる。

 って、やめやめ。瞬は親友なんだから。

 別に困ることないもんね。

 あれ、う~んでもお風呂とかどうしよう。

 ビジネスホテルって感じだし、つい癖で備え付けの浴衣で寝る気満々だし、寝相そんなによくないから…。

 ジャージあったっけ?

「秋、パジャマは?」

「…ジャージ探していい?」

「…おう」

 ぎこちない。

 今度からジャージ常備しよう。流石に瞬の前でも浴衣は嫌だ!

 キャリーを広げて探すけど、やっぱ都合よく入っているはずもなく、さてどうしよう。

「…っぶ!?」

 なんか降ってきた!?

「貸せんの1枚だけだからな」

「っんぎゃ!?」

 投げつけられたのは瞬のジャージで、お礼を言う間もなくズボンも飛んできた。

 ありがたいけど!

「ありがと!でも、投げないでよ!!」

「うるせ」

 瞬も私も今日はちょっとおかしい。
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