私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)

 思わず無言になること何十秒?しばらくして、瞬がはっとして視線を逸らす。

「何やってんだ!!誘ってんのかアホ!!」

「んな…だって瞬走りに行ったじゃん!」

「コンクリ―トの上思いっきり走るわけないだろ!!って、早くジャージ着ろ!!」

 投げられて、頭で受け止める。

 そのまま洗面所に逆戻りして急いで瞬に借りたジャージを着る。

 って、やっぱり男の子っておっきいんだなぁ…。

 上は半そでのはずなのに肘すれすれだし、下に限っては足が完全に見えなくなりそうだ。

 こんなに体格差あったっけ?

 髪の毛をタオルでくるくる巻いて部屋に戻ったら、瞬がベッドに倒れてうつぶせで枕に顔押さえつけてた。

「…瞬?」

「次、あんな格好して出てきたら押し倒すからな」

「…ゴメンナサイ」

 瞬も男の子なんだって、ちょっと自覚した。
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