私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)

 秋も何か察したのか、誰とも口をきこうとせずもくもくと食べてた。

「ごちそうさま!瞬、部屋行ってていい?」

「おう」

「えぇ、秋奈ちゃん戻っちゃうのかよ~」

「また明日。おやすみなさい」

「そんなぁ」

 そそくさと夕食の席を立った秋だけど、平気なふりして結構緊張してたらしい。

 で、他はと言うと、なんか騒いでる。

 明日大会だってのにお気楽だな。早く寝たいんだけど…。

「よし、ミーティングして今日は早く寝るか」

「はい」

 部長の言葉に、表情を切り替える。

 すぐにふざけるのをやめた部員は真剣な顔で輪を作る。

 部長と副部長から相手校とかの発表と注意事項が告げられて部屋に戻る。

「瞬桜だけずりぃなぁ」

「部屋くんなよ」

「えぇ、けちけちするなよ~」

「…本気で殴るぞ」

「いや、そこは軽く受け流せよ!」

 こいつらに冗談でも部屋来ていいとか言ったら秋が危険だろうが。

 適当にあしらってさっさと部屋に戻った。
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