私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)
「瞬!」
「え?ッ…どした?」
部屋入った瞬間に抱き着かれたんですが…。
しかもなんで浴衣になってるわけ…。
抱き着いて離れようとしない秋は震えていて、なんでか知らないうちにスイッチが切れたらしい。
こうなったらしばらくダメだからな…。
部屋の外から覗いてた奴らを睨んでドアを閉める。
明日あいつらしめる…。
でも、秋何とかしないとな。
「秋、どうした?」
「ッ怖い」
「なんかあったか?」
「怖いの…」
いつの間にこんな弱ってたんだ…?
さっきの飯の時か?気づけなかったことに腹が立って、秋を抱きしめる。
ほんとに、少しでも目を離したらこんな壊れそうになってて、だから過保護だろうがなんだろうが言われてもほっとけねぇ。
もう、秋が壊れるのは見たくない。
ベッドまで連れてって、とりあえず座る。
頭を撫でて大丈夫と繰り返すけど、なかなか秋はいつもの秋に戻ってくれない。