私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)

 翌日、起きた秋は顔を真っ赤にしてたけど、ありがとうとか言ってきてなんか調子が狂う。

 風呂場で順番に着替えて、お互い制服になればやっといつもの調子が出た。

「あ、瞬、サポーター」

「ここでやった方がいいか?」

「うん。できれば…」

 ベッドに腰掛けて右膝をズボンのすそをたくし上げて出す。

 その膝に手慣れた様子でテーピングを巻く秋の顔はもう完全に救護班としての顔だった。

「どう?」

「完璧。ありがとな」

「うん。…ねぇ、瞬」

「ん?」

「…絶対、勝ってね」

「…当たり前」

 そんなこと言われたら負けられなくなるだろ…。

 秋の頭を乱暴に撫でて、部屋を出る。

「よぉ、瞬桜熱い夜はす…んご!?」

「あんまふざけたこと言ってると顎砕くぞ」

「瞬、目がマジになってるからやめてあげて…」

 ッチ。昨日の秋見て妄想してた奴ら全員しめてやるはずだったのに。

 まぁ、秋に余計な手間かけさせても仕方ねぇか。
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