私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)
「ほら!手伝いに来たんなら動け!」
「いって!!」
大貴の背中をバチーンッと叩いて、それを見たノンタンが慌ててお父さんに駆け寄っていく。大貴も涙目になりながら追いかけてった。
「秋奈ちゃん、じゃんけんしましょ」
「あ、チョコばぁちゃん、ごめんね~」
腰の曲がったニコニコ笑顔のこのおばあちゃんは、お隣の駄菓子屋の千代おばあちゃんこと、チョコばぁなの。
この商店街の最高齢95歳の店主だったりする。
チョコばぁのスピードに合わせてじゃんけんする。
こののんびりさはちょっとやりにくい…。
「じゃんけん、ぽん!」
私が出したのはパーで、チョコばぁはグー。やったね連勝!
チョコばぁはあれあれとか言いながらお父さんに代金渡してた。
「秋奈ちゃん、明日はばぁちゃんの店に来とくれね?」
「分かった。荷物持ってこうか?」
チョコばぁの荷物は慌てて飛んできた大貴が持って行った。
お陰様で私はお店でお留守番だよ。