私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)
「夏樹、閉めるぞ」
「あ、裏から入ります!」
「分かった」
お父さんはそんなことを言いながら、店のシャッターを下ろす。
他のお店もシャッターを閉めだしてる。
この駅裏商店街は平日20時までが原則なんだ。休日は21時までだけどね。
「帰ろっか」
「おう、じゃあまた明日な!」
「瞬桜、事故んなよ!」
「おー…」
夏とその場でバイバイして瞬を連れて自転車置き場まで急ぐ。
あ、夏はうちの八百屋の2階で住んでるんだ。月1万で光熱費なしっていうお父さんの条件でね。
だから夏は朝学校に行く前も商店街のお手伝いしてから遅刻10分前で学校に来るんだ。
防犯にもなるからってお父さんが貸したの。
家のことはどうしても話したがらないから私も夏も何にも聞かないことにしたんだ。