私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)

 たった1人。商店街のど真ん中で立つ黒ジャージ金髪少年。

 周囲の人はただぽかんとして少年を遠目に眺めていました。

「あぁ!?夏!!」

「おぅ。片付けといたぜ」

「片付けたじゃないでしょ!?うわぁ、もう!喧嘩ダメって言ったのにぃ!!」

「バカ夏樹」

「バカ」

 黒ジャージ金髪少年に駆け寄ってきた2人の少女と1人の少年。

 4人はおそろいの黒ジャージを着ているようです。

 倒れた少年Aと少年Bを見て、黒髪少女は頭を抱えて黒ジャージ金髪少年に怒っています。

 そんな2人をさておいて、ため息をつく黒髪少年と、スマホ少女。

 いいや、スマホ少女は適当に黒髪少年の言葉を繰り返しただけの様子です。

 黒髪少女にたじたじなご様子の黒ジャージ金髪少年。

 黒髪少女は諦めたようにとりあえず見た目の酷い少年Bに駆け寄ると、ウエストポーチからティッシュと消毒液を取り出して、せっせと鼻栓を作る。
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