私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)

「分かった。瞬からって言って渡す」

「普通にあげればいいだろ」

「私からじゃ、春受け取らないもん…」

 最近口も聞いてくれないんだよ?お姉ちゃん傷つく…。

 でも、紅蘭入りたいって言って嫌いな勉強を死に物狂いでやってるから、努力家なんだ。

「…恥ずかしいんじゃないか?」

「違うよ。春私のこと嫌いだもん」

「…はぁ、ま、春馬にあげとけ」

「うん」

 2つ入ったたい焼きの袋をきゅっと掴んだ。

 駅の自転車置き場から自転車を引っ張り出して、瞬とは途中まで一緒。

 別れるところで心配そうな目を向けて来たから立ち乗りして全力疾走で立ち去ってみた。

 …明日が怖いね?
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