私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)

「さぁ、何が出来るかな?」

「いぬ~!」

「きりんさ~ん!」

「さぁ、何かな何かな?」

 ひまっちの手元で作られていく風船に子どもたちは興味津々。目がキラキラ輝いてる。

 やがてできたのはやっぱり犬で、犬と予想した子どもたちが歓声を上げている。

 やっぱりひまっちは小さな子をまとめるのが上手みたい。

 その一方で、台車の周りではお母さんたちが群がってて、暴走族の元総長さんのはずのトーマスが押されてた。

「これいくら!?」

「えっと、これは…」

「ねぇ、これとこれとこれ買うから、これまけなさいよ!」

「マジですか!?」

 不良少年たちが完全に負け。

 家ではおっきな顔して威張ってる男の子たちも、女の子もみんなお母さんパワーに負けてた。
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