私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)

学校にて


「秋奈、おはよ~」

「おはよ~」

 ふぁぁああ…眠い。これも瞬のせいだ!

 と言うのも、瞬は毎日欠かさず朝私を迎えに来る。しかも朝の6時に。

 おかげで眠たっくってしょうがない。

 大あくびを噛み殺しながら、瞬に腕を掴まれて歩く。

 目閉じてても瞬が引っ張ってくれるから目的地には無事到着するんだよね、これが。

 そして到着したのはもちろん道場。しかも1番乗り。

 朝練まであと30分もあるから当たり前なんだけどね。

「秋、眠いならその辺で寝とけ」

 道場に足を踏み入れる前に道場に一礼する瞬。それにならって後に続き、言葉に甘えて道場の隅っこで足を抱えて座る。

 瞬は偉い。誰よりも率先して練習から道場の清掃まで行う。

 朝練の30分前に来るのだって、道場を雑巾かけするため。

 だから誰よりも早くここに来て、掃除から朝練するの。
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