私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)

 理紗が予習の続きを始めたので、カバンの中のものをさっさと整理する。

 単語テストの出題範囲の単語帳を出して、パラパラと該当のページを開く。

「…ねむ」

 他のクラスはこんなことしないで、読書をするのに。

 7組の担任は英語の先生で、朝の読書の時間は全部単語のテストになってしまう。しかも追試ありの。

 めんどくさいったらありゃしない。

 私はとにかく、みんな朝からの練習で疲れているのに先生はお構いなしだ。

 ついでに、担任はどの部活の顧問でもないから生徒よりも遅く来て早く帰ってしまう。だからご丁寧な朝の単語テスト問題も余裕で作れるという訳だ。

 1回見通した段階で担任がチャイムと共に現れる。

 それと同時に単語帳を仕舞う生徒たち。先生は無言で単語テストの用紙を配布した。

 受け取った者からテストは自由に始める。

 窓際の前から3番目だから結構最後の方に配布された。
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