私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)

「秋奈~、今度の日曜日の大会来てよ~」

「えぇ…どこ?」

「…隣の県」

 時間は流れてお昼休み。

 正面に座る理紗が急に手を合わせて来るからびっくりした…。

 机の短い辺のところを使って黙々と弁当を食べている六花は見向きもしないけど。

「それ泊まりでしょ?流石に無理…」

「お願い~!今度何でもおごってあげるからさぁ」

 むぎゅっと抱きつかれたけど、いくら理紗のお願いでもこれは…。

 1回でも遠征の同行をO.K.すると他の部活までうるさくなりそうだしなぁ。

「理紗、せめて県内の大会の時にして?」

「む…永井くんの時は東京にでもついて行くくせに~」

「ッ瞬は無理矢理連れて行くんだもん!」

 いきなり瞬の名前を出されてびっくりする。

 確かにそれを言われると弱いんだよなぁ。

 瞬は全国大会になると絶対に私を、首輪をつけてでも連れて行く。

 去年はマジで大型犬の首輪を持ってきたから顔面蒼白になったよね…。
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