私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)
やばい。すっかり忘れてた。
もし行かなかったら春に今以上に嫌われる…。それだけは嫌だ!!
「理紗、ごめん!今週は絶対無理だ!!」
「はぁ、もうブラコンなんだから…」
「違くてね?行かなかったら弟に今以上に嫌われる…」
「はいはい。秋は春ちゃんのこと大事だもんね。私まで巻き添え食らいそうだから諦めるわ」
理紗があっさり引き下がってくれたことに少し拍子抜けしたけど、瞬に感謝だ。
「あれ、なんで瞬が春の大会の日知ってるの?」
「メール来た」
「私とメールしてくれないのにぃ!」
春なんて嫌いだ~!
ムギュッと六花に抱きついて泣きまねをすると、六花は携帯を動かす手を休めて背中をポンポンしてくれた。
「秋奈、お弁当」
「うん。食べる…」
「秋奈はなんでそんな可愛げない弟が大事何だか」
理紗が頬杖をついて苦笑するように、なぜか春だけは嫌えないんだよね。
やっぱり弟だからかなぁ?