私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)

「こらぁ!!やましたぁああああ!!」

 急に廊下から響いてきた声。

 でも誰も騒ぐ事も、廊下に視線を向ける子は多少いるくらいだ。

 あぁ、今日も鬼ごっこしてるんだなぁ。

「あのバカ、いい加減に黒染めしろよ」

 瞬は呆れて廊下に視線を向ける。

 六花はスマホに目線を落としたままで、理紗は迷惑そうに耳塞いでた。

 しばらくして、バタバタと言う音が聞こえてくる。

 もちろん現れたのはこの学校で唯一の金髪頭。夏だ。

 夏は追いかけられて怒られているのにもかかわらず、余裕そうな表情でポケットに手を突っ込んでた。

「ぬるいっつうの」

 先生の足音はまだ遠い。

 まぁしょうがないよね。

 何せ定年まであと5年の先生なんだもん。

 現役バリバリの高校生と足で敵うはずがない…。
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