私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)

 夏が現れたことで、やっぱりまただと言うような空気になる。

 金髪で制服着崩して、学ランの下も思いっきりTシャツと言う見たまんまの不良は夏しかいない。

 逆に夏のおかげ?で他の子たちが多少スカートを折ったり、腰パンしていてもお咎めはあまりなくなってる。

 夏が来るまで絵にかいたような不良くんはこの学校にいなかったからなぁ…。

 先生たちの悩みのタネであることも知ってるけど。

「秋奈、やっほ」

「また逃げてきたの?」

 余裕しゃくしゃくといった顔で教室に入ってきた夏にもはやだれも怒らない。

 あ、他のクラスには入っちゃだめという決まりがあるんだ。そんなものお構いなしでやってのけるのも夏くらいかな…。

「お前さっさと黒に戻せ」

「別に髪の毛くらい自由でいいだろ?」

「はぁ…」

 ため息をついた瞬に対してどこまでも自由人な夏。自由すぎるかな?
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