私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)

「瞬!はやく~!」

 あれから10分後、見事に回復を果たした秋は自転車に乗りながら俺を大声で呼ぶ。

 ったく、ONとOFFの差が激しいんだよ。

 さっきから何が楽しいのか笑顔を絶やさない秋は、自転車を命いっぱいこいで、その勢いにしばらく身を任せ、空を見上げる。

「瞬、明日迎えに来なくていいよ?」

「あ?なんかあんの?」

「たまにはゆっくり寝たい」

 素直な言葉なんだろう。

 実際、俺が迎えに行く時間は6時だし…。

 多分起きてる時間は遅くても5時30分だ。

 ほっとくの心配なんだけど…。

 まぁ、たまには確かにゆっくり寝てたいかもな。

「明日だけだぞ」

「え?やった!ダメって言うと思ったぁ」

 いつもダメって言うからな。

 でも、たまには1人で教室まで来れるかテストしないといけないしな。

 今まで来れたためしがないけど…。
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