私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)
「とにかく、自分で言えよ。メールで伝えるのも禁止」
「ッ…瞬桜さん」
「お前、秋に甘えすぎなんだよ。いい加減にしろ」
そうさせたのも秋かもしれないが…。
だからと言って、その優しさを中学生になっても当たり前のように受けるなんて違う。
秋も高校での顔がある。
どんなに欲しがっても首を縦に振ることはほとんどない秋が、文句1つ言わずにやって来るなんて本当はありえないんだ。
すっかり気を落とした春馬に見送られて、秋の家を出る。
もちろん秋のことは気になったが、そっとっしておくことにした。
「瞬桜さん、また…」
「試合自体は応援してる。取るなら優勝目指していけ」
「はい!!」
最後に少しだけ励まして、家に向かう。
俺はあいつらの保護者かよ…。