私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)

 その後、こっぴどく叱られた俺の足はびりびり痺れていて、まともに立てもしなかった。

 情けなく廊下の壁に手をついていると、背中をつつかれて振り返る。

「邪魔」

 こいつっ。

 スマホばっかりいじってるこのネット依存女、六花!

 秋奈が手を差し伸べた奴だから、優しくしてるかと思えば…!

 六花は俺が退かないことを根に持ったのか顔を上げて、睨みつけてきた。

「邪魔。バカ」

「お前にバカ呼ばわりされるいわれはないわ!!」

「ならアホだな」

 口を挟んできたのは、無慈悲に怒っている秋奈に俺を投げ出した瞬桜だった。

 瞬桜にアホとかバカとか言われても言い返せないのが悔しい…。

「秋奈に売りやがって…」

「は?どう考えてお前が悪いだろ」

 しれっと言いのけた瞬桜を殴りたくなったけど、行動には絶対に起こさない。

 秋奈と瞬桜は何があっても絶対に守るって決めたんだ。

 そんな2人を傷つけることは絶対に出来ない。

 …六花はついでに守ってやることにした。ついでだけどな!!
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