私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)

「秋奈、次体育」

「あれ、そうだっけ?」

「秋奈~、早く行かないと男子が着替えはじめるよ~?」

「えぇ!?ちょっと待って!!夏、またね!」

 クラスメイトの声に慌てる秋奈は、六花の手を掴んで教室に入って行く。

 でもその瞬間、悲鳴が聞こえてきて、男子がとっくに着替えはじめてることがはっきりと分かった。

「アホだろ…」

「秋奈らしいけどな」

「はぁ、とりあえず、お前も教室帰れ」

 ようやくパンを食べ終わったのに、瞬桜はそっけなく教室に入って行く。

 入れ違うのように出てきた秋奈の顔は真っ赤だった。

「秋奈、男の裸なんか見慣れてるだろ?」

「変なこと言わないでよ!!って、時間やばい!夏バイバイ!」

 六花の手を引いて、秋奈は走り去っていくのを見送った。
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