太陽みたいな人でした。
「ところで亜子さん…。男が気持ち悪くて怖いってどういうことかな…?」
そう言った岩淵先生は口調は悪魔なのに少し悲しそうな顔をしていた。
…あ、てか、バレた。
「…亜子さん。」
…私、嫌われた…のかな。
そうだよね。
ただでさえ、男に犯されて迷惑かけちゃったのに、男が気持ち悪くて怖く思ってしまうようになったなんて…情けなさすぎる。
そんな面倒な生徒…普通は嫌うよね。
「なんでもっと早く言わないんだよ。」
え…?
「もしかしたらって思って聞こうとしても逃げるし、すぐ涙目になるし、聞くに聞けないっての。」
「…嫌われたんじゃないんですか?」
「亜子さん、おれってそんな薄情な先生に見える?」
「…嫌われると思ってました。迷惑いっぱいかけちゃったし、岩淵先生ってめんどくさいの嫌いそうだし。」
岩淵先生ははっと笑っていつものように頭を撫でた。
さっきは怖いと思った手がすごく優しく感じられた。
「こんな泣き虫で可愛い生徒嫌いになる分けないだろ?」
気づくと私は泣いていた。
嬉しかった。先生に嫌われなくて良かったって切実に思った。

そして、私は気づいてしまった。

私は 岩淵先生の事が好きなんだって。
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